犬の整体ってなに?

犬の整体は、わんちゃんの筋肉を使いやすくするためのものです。
整体にもいろいろありますが、そわんの整体は筋肉をもみほぐすだけ。
ポキポキと骨を鳴らしたり、手足を引っ張ったりすることはありません。
だから、気持ちよくて寝てしまう子もいます。
整体は医療行為ではないので、病気の診断や治療はできませんが、病気でかばって負担がかかってしまっている筋肉のケアはできます。
たとえば、椎間板ヘルニアで後足がうまく使えないなら、前足で進もうとするので前足に大きな負担がかかります。
そんな子は前足をケアしてあげないと、どんどん歩きにくくなって体への負担も大きくなっていってしまいます。
解剖学の知識を使い、コリの原因を見つけることで、その子に合ったケアができるんです。
なんで犬に整体をするの?

わたしがわんちゃんに整体をする理由は、歩きやすくなるから。
どんなわんちゃんも歳を重ねるにつれて、すこしずつ足腰が衰えていきます。
その原因は、コリが蓄積しているからなんです。
筋肉がこっていると歩きにくくなり、
- お散歩に行きたがらなくなった
- お出迎えしなくなった
- 遊ばなくなった
こんな変化が出てきます。
ほんの小さな変化ですが、毎日使っている筋肉は少しずつこり固まって使いにくくなっていきます。

さらに歳を重ねると、目が見えにくくなり、耳が遠くなって、歩きにくくなっていく。
それでもわんちゃんが歩きたいと思っているなら、できることがあるんです。
わんちゃんがさいごまで自分でお水を飲みに行ったり、飼い主さんになでてもらいに行く。
そうやって過ごせれば幸せではないでしょうか。
「シニアだから仕方ない」ではなく、「さいごまで幸せに暮らす」ためにも整体が必要なんです。
犬の体はこりやすい


犬の骨格を見てみると、空気イス状態で立っていることが分かります。
程よく曲がっている骨を支えているのは、筋肉。
上からかかる重力に負けないように体を支えているんです。
だから、立っているだけで負担がかかりやすい筋肉と負担がかかりにくい筋肉が出てきます。
また、犬は基本的に「前」に進みます。
すると、よく使われる筋肉が決まってきて、使う筋肉に偏りが出てしまうんです。

たとえば、前に進むには後足を前に出すときより、後ろにけり出すときのほうが大きな力が必要になります。
だから、ももの前よりも裏の筋肉のほうがこりやすいんです。

コリがあるとどうなるの?
コリができると、筋肉は伸びにくくなります。
すると、こんな変化が出てきます。


歩幅が狭いままや姿勢が崩れたまま生活していると、こっている筋肉はあまり使われません。
すると、一部の筋肉に負荷がかかりやすくなり、ますますコリがひどくなってしまいます。
コリを放置したら…?


コリをそのまま放置すると、筋肉はどんどん使いにくくなっていきます。
- ボールを追いかけなくなった
- 呼んでも来なくなった
- 歩くのが遅くなった
- ひざが曲がりにくい
- 帰宅してもお出迎えに来ない
シニア犬ではよくある出来事ですが、これも筋肉が使いにくくなっているサイン!
こってしまった筋肉は、柔軟性を失い、動かすのには力が必要。
そのため、わんちゃんは「疲れるから動かなくていいや」と動かなくなってしまうんです。
これをくり返していくうちに、運動量が減り、筋肉が衰えていきます。
そして、最終的には歩くことだけでなく、立ち上がることすらできなくなってしまいます。

コリはどんな子にも起こります。
コリができても、筋肉があるうちにほぐせば、歩きやすくなってわんちゃんがまた筋肉を使ってくれるようになる。
だからこそ、筋肉がまだあるうちに整体でケアすることをおすすめします。
